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今さら聞けない、「健康経営」と「ウェルビーイング」

人事系ポータルサイトである「日本の人事部」には、健康経営にまつわる用語を解説する「健康経営辞典」というコーナーがあります。その中の「ウェルビーイング」に関する解説ページでは、それらの概念や注目される背景、日系企業各社での取り組みについて紹介しており、事例の1つとして楽天グループを取り上げていただいています。その一部を抜粋してご紹介します。

日本の人事部による健康経営辞典「ウェルビーイング」の解説は、こちらからご参照ください。

健康経営とウェルビーイング

「日本の人事部」によると、健康経営とは、「従業員の健康を経営的視点でとらえ、戦略的に実施すること」としています。日本において、健康経営が注目される背景には、医療費を含む社会保障費の削減と、企業のリスクマネジメントの観点があるといいます。(日本の人事部、健康経営とは

一方でウェルビーイングとは、世界保健機関(WHO)の憲章から、健康を定義する言葉として、単に病気でないことを指すだけでなく、「肉体的、精神的、社会的に良好な状態」と説明されることが多い概念です。 

健康経営辞典「ウェルビーイング」によると、価値観の多様化、人材不足・人材の流動性の高まり、働き方改革の推進、新型コロナウィルス感染症拡大、SDGsでの言及などをウェルビーイング注目の背景として挙げています。

これに加え、ウェルビーイングの推進そのものが企業のパフォーマンス向上に寄与するものとしてとらえられ始めていること、投資家からの非財務指標の開示、特に人的資本に関する開示への要求の高まりも、企業のウェルビーイング推進を後押しする動きとなっているのではないでしょうか。

記事中では、楽天以外にも、イトーキ株式会社、株式会社デンソー、味の素株式会社、株式会社ローソン、丸井グループの取り組み例が紹介されています。今後の取り組みの拡大についても注目です。

昨今の社会情勢や人材市場における競争環境の変化により、日本における健康経営は、身体的な健康増進を中心に広がりつつあるものの、更に精神的、社会的に良好な状態を含む広義でのウェルビーイングとして捉えなおすタイミングにあると捉えられるかも知れません。

楽天グループにおけるウェルビーイング

楽天では、記事中にも記載がある通り、CWO(Chief Well-being Officer)を設置し、楽天創業者の一人がその役割を担っています。

CWO傘下には、3つのウェルビーイングを推進する部門があり、身体的な健康の枠組みを超えた「ウェルビーイング」の推進を図っています。

3つとは、個人、組織、社会のウェルビーイングです。

個人のウェルビーイングは、従業員の心身の健康増進のための健康知識を提供するセミナーや、運動イベントの企画を行います。従来の健康経営の概念に最も近い活動といえるでしょう。

組織のウェルビーイングでは、従業員と楽天のつながり「エンゲージメント」を高めるため、求心力としての企業理念の共有と、楽天の企業戦略の1つであるダイバーシティ(多様性)の推進の2つの柱で活動しています。

社会のウェルビーイングとは、楽天の事業や資産を通じて、楽天と社会全体をより良い状態、サステナブル(持続可能)な状態にすることを目指しています。

また「日本の人事部」の記事中には、2020年のコロナ禍にニューノーマル時代の組織のウェルビーイングに着目した、当研究所による「コレクティブ・ウェルビーイング」ガイドラインの発表についても取りあげられています。

単純な身体的な健康に留まらず、組織のウェルビーイングを「ある目的のもとに、ありたい姿を持つ多様な個人がつながりあった持続可能なチームの状態」と定義し、「仲間、時間、空間、とその余白」を個人とチームが自らデザインすることを提唱したものです。 健康経営とウェルビーイングについて、その定義や成り立ち、実例を改めて確認することで、各組織において最適な健康経営やウェルビーイングの推進が行われることを願っています。